聴刻堂のひとりごと

映画、読書、ときどき旅行

映画「グレイテスト・ショーマン」

映画「グレイテスト・ショーマン
を観た。

2017年の米国ミュージカル映画
監督 マイケル・グレイシー。
出演 ヒュー・ジャックマン
   ザック・エフロン
   ミシェル・ウィリアムズ

19世紀に実在したアメリカ興行師
P・T・バーナムの半生の物語だ。

貧しい仕立て屋の息子バーナム。
子供の頃に仲良くなった良家の娘
チャリティと結婚。二女が生れ、
貧しいながら幸せな暮らし。だが
勤め先が倒産してしまい、奇人を
集めて見世物興行を始める。試行
錯誤の末、サーカス・ショーとし
て成功し始めるが、上流階級から
の評価は低いままだった・・・。

上昇志向を強めるバーナム。それ
は大衆的なサーカスの出演者たち
を蔑ろにすることになる。一方、
上流階級出身の演出家フィリップ
はサーカスの女芸人と恋に落ち、
彼らの側に立とうとする。

物語は、階層の異なる者どうしの
愛憎、同じ階層の者たちの連帯、
そして階層を超えた人生の歓びと
いったものを紡いでいく。

ミュージカルとしての歌と踊りが
素敵。歌曲は印象深く、後日聴い
てもシーンが浮かびそうだ。また
映像ならではのスケールと迫力、
そしてアクション映画を観てるよ
うな躍動感。実写のミュージカル
としては出色の出来だと思うよ。

映画「ツレがうつになりまして」

映画「ツレがうつになりまして
を観た。

2011年の日本映画。
監督は佐々部清
脚本は青島武
出演は宮崎あおい堺雅人ほか。

原作は細川貂々のエッセイ漫画。
サラリーマンの夫ツレ、売れない
漫画家の妻ハル。夫がうつ病にな
り、二人の闘病生活が描かれる。

原作は読んだことがあって、どん
な映画になるのが楽しみだった。
観終わっての感想は"想像以上"。
夫婦愛の物語を前面にした映像作
品に仕上げていた。

直接的な表現が多くて、ともする
とクサくなりそうだが、それを救
っているのが宮崎あおい。彼女の、
セリフやモノローグには表れない
心の動きが伝わってくる。

夫婦の物語という面の他に、うつ
病についての啓蒙的な面もあるし、
漫画家のお仕事物語の面もある。
そうした多面的な面白さも嬉しい。

そして、病気をきっかけに"普通"
に生きられなくなることで、あら
ためて"生きる"とはどういうこと
かが浮き彫りになる。

当初は"うつ病の原因"ばかり考え
ていたが、"うつ病になった意味"
を最近考えるようになったんだよ。

好ましくない出来事も、自分達の
人生の一部として受け入れるハル
の言葉が印象的だ。

映画「あの頃輝いていたけれど」

映画「あの頃輝いていたけれど」
を観た。

2022年のイギリス映画。
監督はエディ・スターンバーグ。
出演はエド・スクレイン
エレノア・マツウラほか。

20年前にアイドルグループのリー
ダーだった男。今では落ちぶれて、
ライブハウスでの出演さえもまま
ならない。苦肉の策で路上ライブ
の準備をしてると、自閉症の少年
ドラマーがやって来て、二人のセ
ッションが良い感じで・・・。

音楽の映画は楽しい。特に音楽が
良ければ、それだけで幸せになる。
本作は、音楽だけで魅了する意図
はないようだが、音楽も悪くない。

ライブハウスでの演奏シーンも良
かったが、それより感動したのは
教会での音楽療法の場面だ。自閉
症の人達が輪になって太鼓を叩く
のだが、それが他人と心を通わせ
ることにつながるのがよく判った。

とは言え、この映画。モヤモヤし
た感じが残る。主人公の男は、か
つて音楽の商業的成功と家族の絆
との二者択一を迫られる状況とな
って、その時にとった自分の行動
を後悔している。今回、似たよう
な状況となって、男はどんな選択
をしたのか、映画では曖昧にして
いるのだ。

観客が予想するような結末に安直
にはしたくない気持ちは判るけど。
大事な点を曖昧にしたために、印
象が極めて薄い作品になってしま
ったのは残念だ。

映画「アウトロー」

映画「アウトロー」を観た。

2012年のアメリカ映画。
監督・脚本は
 クリストファー・マッカリー
出演はトム・クルーズ
 ロザムンド・パイクほか。
原作はリー・チャイルド。人気の
"ジャック・リーチャー"シリーズ。

川沿いの公園で遠方からの狙撃で
5人が射殺された。無差別に狙わ
れたものらしい。現場に残された
証拠から元狙撃兵が逮捕される。
容疑者は罪を認めず、ジャック・
リーチャーを呼ぶことを要求する。

ジャック・リーチャーは元陸軍少
佐の憲兵隊捜査官。優秀な軍人だ
ったが、退役後は消息不明の流れ
者。鋭い洞察と推理で、女弁護人
とともに真犯人を追い詰めてゆく。

さすがハリウッド。エンタメとし
て鉄板で楽しめる。雰囲気のある
映像、スリリングな展開、手に汗
握るカーアクション、銃や素手
の戦闘など。ラブシーンを除いて
ひと通り揃ってる感じ。

主人公の人物造形が本作品の肝か。
小説を読んでいないので、最初は
謎めいていて、沈着冷静で薄情に
さえ見えるが、意外に熱い部分も
あり、最終的には法よりも正義を
重んじる。

原題は「Jack Reacher」だが、
邦題は「アウトロー」。なるほど、
そういう意味か。

映画「星を追う子ども」

映画「星を追う子ども」を観た。

2011年の日本アニメ映画。
監督・脚本・原作は新海誠
制作会社はコミックス・ウェーブ
出演は金元寿子入野自由ほか。

父親を早くに失くし、看護師の母
を援けながら中学に通う少女。父
の形見の鉱石で作ったラジオを、
一人で山に登って聴くのが好きだ。
ある日、"アガルタ"という遠い所
から来た不思議な少年に出会う・・・。

新海監督の4作目のアニメ映画。
風の谷のナウシカ」や「ものの
け姫」などのジブリ作品を彷彿と
させる所がいっぱいだった。

絵の感じ。音楽。少年と少女の物
語。懐かしい日本の風景。地下に
ある別世界。そして扱うテーマ。

愛する人、近しい人が死んでしま
った喪失感。それにどう向き合う
か。忘れられない。忘れたくない。
しかし、こだわり続けてもいられ
ない。

喪失感を抱えて、それでも生きて
いく。それが人に課せられた呪い
でもあり、同時に祝福でもある。
そんな言葉が語られる。

祝福とは。亡くなってしまった人
と出会えて、一緒に過ごせた思い
出を大切にして生きていけること
が幸いである、ということか。

これまで本作を知らなかったのが
不思議なくらい、名作と呼んでも
良いんとちゃうかな。

映画「ヘヴィメタル」

映画「ヘヴィメタル」を観た。

1981年カナダのアニメ映画。
監督ジェラルド・パッタートン他
10名によるオムニバス。

全編ヘヴィメタルの音楽とともに
アメコミ風のアニメが進行する。
物語はあるようで、無いようで。
SFっぽいホラーとでも言うような。

映画と言うよりも、ヘビメタのミ
ュージックビデオを観てる感じ。
しかも製作年が80年代初期だから
懐メロ、もしくはクラシックだ。

わざとなのか、当時の技術レベル
なのか判らないが、アニメも相当
古っぽい。どうしてこれが現代に
おいて配信されているのだろう。

80年代って、いま流行りなのか?
確かに、当時思春期だった人が
そろそろ60歳になる頃だが。

自分もその年代に近いが、昔を懐
かしんで楽しむ趣味は持ち合わせ
ていない。だから本作も正直退屈
だった。

最近、新海誠の作品が続いてるの
で、海外のアニメも観てみようか
と思っての選択。判ったことは、
日本のアニメは質も高いし、奥が
深い。安心して日本の作品を観る
ことにしょう。

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」(町田そのこ)

「夜空に泳ぐチョコレートグラミ
ー」(町田そのこ)を読んだ。

2017年に刊行された文庫本。
2021年に本屋大賞を受賞した、
「52ヘルツのクジラたち」以降、
何作か読んでいる町田そのこ。
本書に収録されている初期の作品
は読んでいなかった。

短編五話。第一話「カメルーン
青い魚」と第二話「夜空に泳ぐチ
ョコレートグラミー」が良かった。

特に第二話の表題作。中学生の啓
太と晴子が懸命に生きようとする
姿が胸を打つ。孵化した小魚たち
が懸命に泳いでゆく、そんなイメ
ージを描きたかったのだろう。

第三話以降が良くなかったわけで
はないけれど、自分には共感しに
くい話だったというだけだ。第四
話「溺れるスイミー」が好きだと
いう人も多いかもしれない。

それにしても、"チョコレートグ
ラミー"というのが魚の名前だと
は知らなかった。表題の意味が判
らなかったので、これまで読む気
になれなかったような気がする。

題名で損してる作品かもしれない。
もし題名で気が進まない人がいる
なら、勿体ないから読んでみると
良いと思うよ。